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介護者(息子)の苦悩

介護者(息子)の苦悩 えっちゃんのブログ
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数年前、中学の同級生の今井君(仮名)が自殺を図り、亡くなったと地元の友人から電話があった。母親の介護疲れであった。

介護疲れによる自殺

何故?・・・介護保険を使わなかったのだろうか・・・。
何故?・・・友人に相談しなかったのだろうか・・・。
何故?・・・周りの親戚や友人達は気づかなかったのだろうか・・・。

今井君宅は、両親と姉の4人家族でした。
姉は県外に嫁ぎ、今井君は、大学で知り合った女性と結婚し、両親と同居生活がスタートしました。そして、二人の子供にも恵まれます。
ところが、父親が60歳で心筋梗塞で亡くなると、その5年後、母親が脳梗塞で入院し、介護が必要な状態になりました。
母親は介護認定も受け、退院後には在宅介護がスタートしました。

田舎では、介護というと、未だに長男の嫁が行うものと考えている人が多いものです。
今井家も例外ではありませんでした。
今井君は外で働き、都会育ちのお嫁さんが、義理の母親の介護を担うことになったのです。
勿論、お嫁さんは、介護保険の認定を受け、ケアマネとも相談し、ベッドの貸与や、住宅改修を行い、デイサービスやヘルパー等の介護サービスの積極的な利用を考えました。将来的には施設入所も視野に入れていたと思います。

ところが、母親は、デイサービスもヘルパーの利用も1週間で断ってしまったと言います。
母親は、不自由な体で外に出かけることを嫌がり、家には息子も嫁もいるからと、介護保険のサービスの利用を拒否したのです。

本人が介護サービスを拒否してしまった

半年後、今井君の妻は、家を出て行きました。
その結果、今井君は、母親の介護を担うことになったのです。

今井君は、要介護者の母親を抱えながら、会社勤めをするには介護休暇を取りにくく、職場の理解も得られない状態だったようです。
間もなくして今井君は会社を退職し、母親の介護に専念します。
元々、真面目な性格の今井君は、周囲の助けを借りないで、何とかしようと頑張りすぎたのです。
また、家事に慣れていないことも多く、基本的な介護スキルが足りないことも今井君の介護の限界を超えてしまったようです。

薔薇のライン

平成19年には、秋田県で60歳男性が焼身自殺し、自宅では91歳の母親が首を絞められ亡くなっていた事件がありました。
この事件も、認知症の母親の介護を苦にした男性が母親を手にかけて自殺したというものでしたが、母親は、介護認定も受けていたにも関わらず、在宅サービスを利用することなく、このような事件に発展してしまったケースでした。

介護保険は、40歳以上が加入する制度ですが、昨年4月時点の65歳以上加入者は約3500万人。
厚生労働省の平成28年度調査では、今井君のような、男性が母親を介護するといったケースのように、介護保険制度が活用されていない実態も浮かび、うち28%は要介護認定申請すらしておらず、認定されていても約14%はサービスを受けていなかったという結果が出ています。

一昨年は、介護・看病疲れで自殺してしまった人は251人もおり、なかでも50代から70代が7割を占めています。ということは、親が70代後半から90代、100歳代などの後期高齢者で、体も動かなくなった親を一生懸命介護しているうちに、一人で辛さを抱え込んでしまい、自ら命を断ってしまうという悲劇が繰り返されているものだと考えられます。

実の親の介護を、娘が行うよりも、息子が行う場合のほうが様々な困難が生まれやすいということに、多くの人は気づいていません。

介護疲れは男性に多い

息子であっても、こうした一般論とは異なり、上手に介護をしている人もいます。ただ、傾向としては、息子による介護は破綻しやすいということについては、認識しておく必要があります。こうした破綻の結果は、親の虐待という悲惨なことにもなりかねません。

介護や看病には、金銭面や介護力、環境など、個人や家族の力だけではどうしようもできないという側面があります。
介護者は、要介護者を一所懸命に世話しようとして、その負担に耐えられなくなり、殺害や自殺に及んでしまいます。

しかし、一方で、要介護者を放置する、またはなるべく介護に関与しようとしない介護者もおり、その極端な場合に、憎悪等により虐待に及ぶケースもあります。

今井君のケースのように、介護者の介護負担感が強い場合であっても、介護を受ける要介護者は必ずしも専門家による介護を望まない場合もあります。
「あかの他人に生活の中に入ってきて欲しくない」「自分は専門家による介護を受けなくても、自分でもできるし、必要なら家族が面倒を見てくれる」と考える要介護者もいるのです。

介入を拒否する要介護者

要介護者と介護者の気持ちが一致しない場合、要介護者および介護者にとって、それぞれが大きな問題・負担を抱えることとなります。
介護になると、家族のお荷物になるという誤解があります。しかし実際には、少しでも早い段階で介護サービスを利用することで、介護の重度化が避けられ、むしろ家族の負担は減らせるのです。

今後、ますます後期高齢者が増加し、要介護者が増える中、こういった悲劇が起きないような社会になってほしいものです。

昨今では地域のつながりが以前よりも希薄になっていると思います。
以前でしたら、近所の方が気づき一言二言アドバイスをされることもあったでしょう。

最近は、介護者本人が中々アクションを起こさない事例があります。
できましたら、地域でそのような方を見かけられた場合、地域包括支援センターにご一報いただくことで、事件・事故を1件でも減らすことができるのではないかと思います。

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