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介護相談事例 入所の理由はさまざま③

介護相談事例 入所の理由はさまざま③ えっちゃんのブログ
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耕助さん(仮名)との出会い

耕助さんがデイサービスセンターを週2回、定期利用するようになって1カ月ほど経過した頃、デイサービスの看護師から、「ちょっと見てほしい利用者さんがいるんだけど・・・」と言われ浴室に向かうと、入浴前の脱衣所で裸になっている耕助さんがシャワーチェアーに座っていた。

そこで見た耕助さんの体には杖でたたかれたような無数のあざがあった。

虐待であざが出来たおじいちゃん

両腕、体幹、両足等、あざは広範囲に及んでおり、暴力以外考えられない状態であった。
誰がこんなことをしたのかと尋ねても、自分で転んだと言って事実を話そうとしない。

耕助さんの許可を得て、無数のあざをカメラに収め、施設長に相談したが、耕助さんが転んだという限りこれ以上踏み込んではいけないとのことでしばらく様子を見ることにした。

次の利用日には、前回よりあざは薄くなってはいたものの、手背や前腕にはたばこを押し付けたようなあざが見つかった。
今回も家族からの暴力を否定する耕助さんではあったが、福祉事務所と警察に連絡をすることにした。

介護者である家族を含め、施設内で話し合いをすることになり、施設長、私、耕助さんが会議室で待っていると、まず、家族だという次女夫婦がやってきた。

訪問してきた次女の夫はヤクザだった

部屋に入るや否や次女の夫が耕助さんの胸ぐらを掴み、「何をお前は言っとるんや!」「嘘ばっか言いやがって!」と言いながら耕助さんに殴りかかった。

止めようとした私を突き飛ばし、何度もなぐりかかる次女の夫に恐怖を感じ、私は、大声で「110番して!」と叫んだ。

周りにいた数人の男性職員に押さえつけられたが、耕助さんの顔は腫れあがり、ポロシャツはびりびりになっていた。
次女の説得で、次女の夫は殴るのを止めたが、その場は修羅場となり話し合いどころじゃなくなった。
警察官と市の担当者も加わり、耕助さんと私は病院へ・・・。
その後、耕助さんは、しばらくの間、ショートステイで預かることとなった。

後に分かったことだが、次女夫婦からの暴力は次女夫婦が耕助さんの家に住み込んでから始まっていた。
次女の夫は暴力団の方で、経済的に困窮していた次女家族が、耕助さんの財産と年金を当てにして一緒に暮らすことになったといい、長女宅で暮らしていた耕助さんを無理やり連れて行ったのだとという。

元々、耕助さんは、大手企業で定年まで勤務し、退職後は立派な一軒家で妻と二人暮らしをしていたが、突然、妻をクモ膜下出血で亡くし、大きな家での一人暮らしをしていた。耕助さん63歳の時、脳梗塞(右片麻痺)で倒れ入院し、病院を転々としながら生活していたが、要介護状態となり、在宅での一人暮らしは難しく、退院後は県外の長女宅で暮らしていた。

長女夫婦には子供がいないので、長女が身の回りの世話をし、福祉サービスを上手に使いながら生活していた。

そんな生活が半年くらい続いていた時、突然、次女夫婦が長女宅にきて、耕助さんは私たちが介護するからと言って、全てを持って行ってしまったのだと・・・。

警察や市役所の福祉担当者の調整で、次女夫婦には接近禁止命令が出され、長女さんが身元引受人となり、事件から半年後、施設の住民となった。

耕助さんの事件を機に、高齢者への虐待の通報に関して、福祉事務所と医師会、警察が協力して高齢者の虐待の早期発見に取り組む組織づくりのきっかけとなったと思う。

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