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社会福祉との出会い

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日々健康で暮らしていると社会福祉に出会うことがなかなか難しいのではないでしょうか。

看護師で働いていた私が何故社会福祉と出会ったかを記したいと思います。

地元の看護学校を卒業後、総合病院に勤務することになりました。

外科、整形外科、脳外科、手術室等の勤務を経験した後、自宅に近い病院に勤務しました。
最初は、外科系の経験があるということで、ICUに勤務しておりましたが、4年目に異動があり、療養型の病棟に勤務になりました。

ICU

ここで、初めて社会的入院をしている老人に出会う事になる訳ですが、その病院は、ソーシャルワーカーが配置されておらず、同じような役割を担っているのが総師長(以前は総婦長)であり、数ヶ月経過すると「そろそろ退院してください」と家族に退院を迫り、家族は次の受け入れ病院を探す始末・・・。
もう30年以上も前の話で、まだ、介護保険の計画も無かったころの話です。

この病院に勤務するまでの私は、老人とはあまりかかわりの無い環境の職場だったので、社会福祉には全く興味も関心も無い状態でした。

ここで初めて社会的入院の老人の現状を目の当たりにしたのです。

「何故、自宅に帰れないのか?」「何故、返せないのか?」と、初めて、老人の置かれている環境や老人の介護問題に疑問を持つようになりました。

丁度その頃、経口摂取が出来ない高齢者等への栄養補給の手段としての経管栄養が経鼻栄養から胃瘻(胃ろう)増設へと医療は変化してきた頃です。

胃瘻を増設すれば、経鼻栄養のように定期的に管の交換を行わなくても良くなり、在宅での介護負担も楽になるとのことで、胃瘻増設の手術が多くなされるようになりました。

ただ、胃瘻を増設した患者さんはどうなるかというと、定期的におむつ交換をして、清拭し、2時間おきに体位変換をし、3度の食事は、濃厚流動食を暖めて管から流す。

看護師は機械的に看護を提供するだけのように感じました。
患者さんはと言うと、一晩中、いえ、1日中・・・転院先が見つかるまでずっと同じ事を繰り返されながら、ベッドの上で過ごすのです。

いわゆるベッドの上が生活の場・・・。

寝たきりで苦しそうなおばあちゃん

この病棟の4分の1は日常生活自立度がCレベルの寝たきり老人です。
ある日の夜勤中に、意識のない92歳のいわゆる植物状態の患者さんに話しかけました。

「今のあなたは幸せですか?ここでの生活はあなたが望んでいた老後ですか?・・・」と。

勿論、お返事などあるわけがございません。でも、もし、この患者さんが自分で回答できるとしたらどのように答えたと思いますか?

私は、思わず彼女と同じ様に天井を眺めてみました。天井にはウジ虫のような模様がありました。でも、5分も眺めたら飽きてきます。

わたしだったら耐えられないだろうな・・・と感じたのを覚えています。

その数日後、夜勤のときに、オムツをしている、ときさん(仮名)という患者さんが「おしっこがしたい」と訴えました。わたしは、トイレまで尿器を取りに行き尿器での排泄を援助しました。

2時間おきの排泄援助です。朝になると、「便がしたい」と訴えたので、抱きかかえながら、ポータブルトイレに座らせ、排泄ができました。

その二日後、ある先輩看護師から、とんでもないことを言われたのです。

「あんたが余計なことするから、あの、ときばばぁが夜中に何回も呼ぶのよ!オムツしてるんだからほっとけばいいのよ!」と・・・。

入所者さんに手を差し伸べると怒る看護師

その後、病棟の上司に相談しましたが、忙しい中、なかなかそこまで手が回らないからねぇ・・・と。

とても悲しく感じ、打ちのめされた気分でした。

そして、この事件が発生した半年後、年度末で病院を退職する決心をし辞表を提出しました。

そして、社会福祉施設へ就職するまでの2ヶ月間を利用して、様々な施設や病院にボランティアに行きました。施設見学ではなかなか受け入れてもらえず、内情を知るにはボランティアしかない!との想いからでした。病院によっては、ボランティアも断るところもありましたが、できるだけ多くの病院や施設をみて回りました。

その頃の、ほとんどの特別養護老人ホーム施設は、職員の勤務に合わせた利用者の日課表が計画されています。最近では夜間入浴や個別浴、個別の排泄援助など積極的に個別援助計画を立て援助しておりますが、ある老人病院で凄い光景を目にしました。多分、現在は改善されてこのような療養型の病院はないと思いますが・・・。  

大きな会議室位の広さの場所に40床のベッドがあり、40人の老人が寝かされていました。その中の約8割は経管栄養の患者が寝かされていました。

ベッドとベッドの間にはカーテンの仕切りも無く、ベッドとベッドの幅は辛うじてポータブルトイレがはいる幅しかありません。私の目に映った老人の姿は、惨めな、ただ、生かされているだけの老人の姿しかありませんでした。更に驚いたのは、男女混合だったこと。

おむつ交換をしていると、ある老人が私に声をかけてきました。「おしっこがしたい!」と。

ポータブルを使う患者さん

ベッドの横にはプラスティックのポータブルトイレが置かれておりますが、隣のベットには男性が寝かされておりました。その患者さんは認知症からなのか、もう、この環境に慣れざるをえなかったのか、ポータブルに移動してあげると何の問題も無く排泄したのです。

こうして、この病院で働く看護師たちが、患者様の気持ちを重視するのではなく、ただただ生活の糧のためだけに働いていることはとても残念に感じました。

そして、この時の出来事が後々の私の福祉に対する考え方に大きな影響を及ぼすことになるのでした。

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